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井上信一氏が私の本を日本語に翻訳するための承諾を求めに、私のところにやって釆た時、
私は感激を覚え、意を強くした。それは、主として私が、日本とアブダピ首長国との関係がどれ ほど重要なものであるか、そして日本人が我々の社会と人々についての知識を増やすことにど れほど関心があるのかを、実感したことがなかつたからである。 その次に、私は名誉なことで あると思った。それは、私の最初の労作が日本人社会にとつて、自らの言語に翻訳したいと思 われるほど、意味のあるものであることが証されたからであり、彼ら自身と国の人々のために、 我々の文化と歴史を読んで、学んでもらうことを目的としたものであつたからである。
当国の人々と日本の人々との間の文化的紐帯が、緊密になることにより、世界平和と繁栄の
中での友好的な国並びにパートナーとして、我々が一層親しくなれることを、私は心から希望し ている。
私は、井上氏の先見の明とこの本を翻訳する苦労に感謝すると共に、この日本語版が実りの
ある成果を生むようにと、激励と多大な関心を寄せられた、UAE駐在の日本国大使である渡 辺氏に対し、謝意を表するものである。
1996年5月22日
ムハマンド・A・J・アル・ファヒーム
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